Vol.10 今期最後の蝦夷鹿
前回のブログでも書きましたが、今期分の蝦夷鹿の原皮が終わったので、今年のSPECIAL ORDERも終了しました。
10月末にオーダー頂いていた分が先日仕上がったので、お客様にお渡ししました。
先月も6着ほど納めさせて貰ったのですが、事務所が改装真っ最中で写真も撮れずじまい、、、
今回は改装が落ち着いてきたので、こんな時しか撮れない改装中の事務所で写真を撮らせていただきました。
久しぶりのレザーだったらしく、本当に喜んでいただいてこっちも嬉しくなりました。
今年最後の蝦夷鹿はseveskigでは珍しいシングルライダースです。
野生の力強さが伝わってくる革の仕上がりです。
均一でないシボ感も野生独自な物ですね。
今回も鞣しはフルベジ、仕上げはオイルワックスで硬すぎず柔らか過ぎずの革を制作しました。
針を落とす時に独特なぶにゅっとした感触が鹿の特徴でもあります。
鞣しで銀先は硬くなっていますが、トコ面は柔らかいのでこの感触なのかなと思いながら縫っています。
あとこの革は引っ張ると結構伸びるので、縫い慣れていない人は仕上がりがよれよれになってしまいます。
一回伸びたまま縫ってしまうと元には戻らないので、一生よれたままです、、
その辺りかなり気を遣う革です。
しかし今後どんな感じで育って行くのかが楽しみな一品ですね。
そしてもう1着スペシャルな物を納品しました。
21AWで使用するサンプル着分を使い、新宿KAWANOさんの70周年記念で特別な物を制作しました。
表革は北海道産ホルスタインのフルベジミリング銀付きスウェード。
このスウェードは日焼けして行くと赤みを増してどんどん黒ずんでいきます。
次回のキーワードを色々と盛り込んだ一品です。
テーマはまだ詳しく内容は言えませんが、、
裏地も渾身の別注素材を使用しております。
感の良い方はこのグラフィックでわかるかもしれませんが、、
ちなみに袖裏は3レイヤー撥水素材を使用しています。
毎年寒い時期になると、3レイヤーの機能は凄いなと実感しています。
3レイヤーは雨が降った時活躍する素材ですが、実は自分の体温を逃さないので通常のキュプラ、綿素材、ウール素材に比べて暖かいのです。
これはたまたま事務所に3レイヤー素材が残ってて、自分のライダースを作っている時に裏地がなかったので代用したのが始まりです。
それ以来自分の裏地は全て3レイヤーを入れています。
秋口は暑いのですが、11月くらいの寒さだとかなり重宝します。
SPECIAL ORDERされる際言ってもらえれば取り入れることも可能です。
と言う感じでオーダーの方も年内は残すところ1着となりました。
本当にSPECIALなオーダーなので、またブログで紹介させていただきます。
前回のブログでも書きましたが、オーダーは随時お受けしているのですが、納品は年明け以降になります。
展示会企画に、SPECIALなコラボ企画にバタバタしておりますが、今年も走り切りたいと思います。
それではまた。
NORI
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