Vol.34 月輪ジャン完成

とうとう東京も梅雨入りしてしまいましたね、、

この時期になると、完全防水の3レイヤーを作りたい欲が沸々と湧いてきます。

3レイヤーのパンツの大股の部分のシームテープが生地の伸縮に耐えきれず、剥がれて濡れるパターンが多いです。

その辺が解消されれば快適な梅雨ライフが待っています。

早ければ次回展示会でお披露目出来ればいいなと。

パタンナーと共に濡れないセットアップを模索中です。

 

 

というわけで先週縫い上げたのに写真を撮り忘れた”月輪ジャン”を色々ピックアプして載せていきたいと思います。

裁断のとこから動画を載せますね。

裁断の細かい事はVol.30.2をご覧ください。

この動画は小物作成とかハンマー多めの動画になっています。

 で、今日UPした動画です。

表と裏のドッキングとか、袖口で苦戦している所とか、最終のステッチ入れとかの動画です。

 

今回の蝦夷熊は1.6mm厚で、一番重なる部分で言うと16mm、、

毛皮は革に比べると厚みがあるので、下手すると20mmくらいになっている所もあったかもしれません。

 

毛皮は革と違ってオイルをふんだんに入れる事はしないので、ハンマーで叩いても多少しかつぶれません。

いかに革の方を潰すかにかかってきます。

 

なのでハンマーが自然と多くなってしまいます、、

今回一番手間取った所。。

裏地も入れるとカフス周りで最終的に10枚くらいの重なりになります。

お客様の要望で、圧縮ニットメルトンの裏地にしていて、裏地自体も厚みがあります。

うちのDY-350ではここが限界点かと、、

ほんとに今回ばかりは最新の上下送り買おうかと思いました。

 

あとここ。

ここは完全に密状態で、毛皮入りの10枚。

ちなみに今回も#21の針を使ったのですが、2本曲がりました。

足踏みで行くと絶対に曲がるので手回しでと思っていたのに、ちょっとだけだし行けるんじゃないかって言う甘い考えがだめでしたね。

 

動画でクルクルしてるとこ観れると思います。

 

長い距離を手回しすると次の日筋肉痛になってます。

 

 

大変だった事はこの辺にして、月輪ジャンはビンテージファスナーの要望があったので、今回はビンテージジャケットから外した”デカTALON”を付けました。

アルミの物を使用したんですけど、若干引き手が曲がっていたので、ハンマーで整えました。

 

全体的にボリュームがあるジャケットなので、これくらい大きな引き手をつけても違和感がないですね。

やはりビンテージの雰囲気は一線を画しますね。

長年使い込まれて出来た細かい傷がいい味を出しています。

 

多分自分より年上のファスナーかな。

 

よくファスナーのムシが取れているのは見かけますが、スライダーとボックスが壊れているのはあまり見ませんよね。

 

それだけ昔のTALONは堅牢だったって事ですね。

 

古い物は素晴らしいです。

 

ちなみに下のオープン部分にTALONの"T"が刻印されています。

 

この辺もファスナー付きとしては堪らないパフォーマンスです。

 

と言うわけで仕上がりの写真です。

ベルト上の毛をカットしてほしいと言う要望があったので、おかっぱ仕様です。

衿も革の仕様でジコ坊感が無くなってスッキリしてますね。

 

これは先週納品した蝦夷熊100%の熊ジャンです。

毛をカットせず衿も毛皮の仕様も荒々しくて好きですけど。

ちなみにこのモデルは胸ポケットも付いています。

毛で覆われて全くわからないと思いますが。

 

と後2着分熊ジャンのオーダーが入っているので、頑張って仕上げていきたいと思います。

 

今月末〜7月頭に待ちに待った蝦夷鹿が上がってくる予定なので、今オーダー頂いている方の物から順番に仕上げていきますね。

 

出来上がりまで少々お待ちください。

現段階での蝦夷鹿達。

仕上げ前ですがワイルドな雰囲気がぷんぷんです。

またそっちも仕上がったらブログでUPしていきたいと思っています。

 

それではまた。

 

NORI

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